娘が大好きだった、新太が天に召される直前の記録が残っていたので、記します。

2010年5月19日

5歳の娘を寝かしつけるのに1時間以上もいろんなキャラの声真似をしてお話した。
「もう声が嗄れたから」とやめたら、しばらくして「おとうさん、こえさいた?」と何度も囁いてきた。
後で気がついたけど、声が「枯れた」→声がそのうち「咲く」だろう、と期待していたようだ。

2010年6月7日

「おとうさん、しりとりしよう!しりとりの『ば』!」
「…なんで『ば』なの」
「いいからいいから」
「ば…ば…何があったかな」
「(耳に口を近づけて)ばななは?」
「じゃあ、バナナ」
「『な』?う〜ん、ほかのにして!」
「へ?」
「いいからいいから」
「じゃあ馬車」
「…おとうさん、『り』からだよ」

2010年6月15日

土日に娘5歳と息子2歳を風呂に入れて。
娘が息子の股を指して「おとうさんみて、たまつるりみたい!」
「…ひょっとしてかたつむりのこと?」
「そう、たまつるり」
「か、た、つ、む、り!」
「た・ま・つ・る・り?」

2010年6月16日

「おとうさんみてみて、きれいでしょ。たからものなんだあ」
「綺麗な指輪だね。失くさないようにね」
「うん。たからばこにいれる。おとうさんのたからものはなあに?」
「(ちょっと芝居がかって)お父さんの宝物は君だよ!」
「(教え諭すような声と表情で)おとうさん、あたしはにんげんだよ」

2010年6月29日

娘と買い物中。
「あ、たなばただ」
「何かお願いごとする?」
「する。(黙々と短冊に)」
「見てもいい?」
「うん」
「えーと(『およりがてままむよに』、か)お料理が上手になりたいんだね」
「すごーい、おとうさん、よくよめたね!」

2010年6月30日

娘と食事中。
「あれ、野菜食べないの」
「(耳に口を寄せて)あおいの、にがてなの」
「(私も妻に伝言ゲーム)青い野菜苦手だって」
「(妻が娘へひそひそ)青い野菜は体にいいんだよ」
「(娘がうさぎの新太の耳へひそひそ)おやさい、たべないと、なおらないよ」

2010年7月21日

娘を浜にあげて、帰る気配を見て。
「あ!あしがすなだらけになっちゃった。うみであらってくる」
「行ってらっしゃい」
「(ダッシュで海に行って戻って)またすなだらけ〜。うみであらってくる!」
「はいよ」「(戻ってきて)あ〜またすなだらけ。もういっかいだけ!」
都合6回往復。

2010年7月27日

週末娘と。
「おとうさん、かくれんぼしよ。あたしがおにね、いち、にい、さん…」
「もういいよ」
「って、はやっ!どれどれ、どこかな〜…どこ?…いない…おか〜あさん!おとうさんどこ?(半泣き)」
『どこだと思う?』
「えーと、かいしゃ?」

2010年8月12日

娘を寝かし付け。
「おとうさん、ちょっとだけおはなし!」
「たまには君の話を聞きたいなあ」
「え〜…むかしむかしあるところにかにさんがいました。おさるさんもいました。かきのたねをたべました。うすがやっつけました。お・し・ま・い!…ねた?」
「…え、え〜と」
「じゃっおとうさんのばん!」

2010年8月16日

娘と会話?
「おとうさん」「何?」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」「うん」「あのね」
『(妻)バカップルか!』
「おとうさん、ばかっぷるってなに?」「周りが恥ずかしくなる人達だよ」

2010年9月24日

平日すれ違い、休日出勤で半月ぶりぐらいに娘と会話。
「おとうさん、おつかれさま。きょうはねててね」
「ありがとう。悪いね」
「いいからいいから。みせたいものがあるの。じゃじゃーん!あたらしいぬいぐるみ!」
「可愛いねえ」
「ほら、ねてなさい」
「うん、じゃ…」
「あのね、きのうおともだちが…」

2010年10月4日

娘からクイズ。
「きいろでほしみたいなかたちをしているものな〜んだ!」
「う〜ん…ヒトデ?」
「ぶぶ〜。せいかいは、おほしさま!」
「そりゃ星みたい、じゃなくてそのまんまじゃない!」
「だっておほしさまなんだもん。くふふふ。だいごも〜ん!さんかくで…」

2010年10月13日

朝まだき、スーツ着替え中に娘の寝言
「…んねる…」
「ん?なあに?」
「おはなのみどりのとんねる…」
「どこ?」
「…あのね、こ〜んなおおきなみどりのとんねるに、おはながい〜っぱいついてたの」
「へえ。綺麗なところだね」
「うん。やさしいゆめだった…おやすみなさい」
「お休み」
「…すけーと…」

2010年10月21日

昨夜の娘の寝かしつけ。
「く〜いずくいず、くいずでぽてと!」
「何じゃそりゃ」
「まるいものな〜んだ」
「お日様?」
「ぶ〜!ぼーる!だいにも〜ん、あかいものな〜んだ」
「林檎?」
「ぶぶ〜あかいぼーる!つぎっ、しかくいものな〜んだ」
「…ボール?」
「せいか〜い!」
「正解かい!」
「しかくいぼーる!」

2010年10月27日

夜中に娘の金切り声。
「どうしたのっ」
「あ…おとうさん…こわいゆめ…」
「どんなの」
「かさがでてきて」
「うん」
「くびがにゅーとのびて」
「うん」
「がたん、とおちて」
「うん」
「おかあさんにつのがはえて」
「うん」
「らーめんたべて」
「うん。本当は途中で忘れたんでしょ」
「おとうさん、だっこ!」

2010年11月8日

娘との他愛ない会話。
「ねえおとうさん。あたしさんさいのころ、おかあさんにすごくおこられたの」
「何をやったの」
「えーと、かべにいっぱいらくがきした」
「何で怒られたのかな」
「いけないことだから」
「何でいけないのかな」
「うちゅうがほろぶの」

2010年11月22日

首都高速を走って遅くなってしまった休日、娘5歳が眠たい時に新橋辺りの酔っ払いおっさんと化することを発見。
(娘)「おうち、まだ〜」
(私)「まだまだだよ」
(娘)「なにー。あたしに代わりなさい」
(私)「いやいや、代わっても無理だから」
(娘)「くいず、だいごも〜ん!」
(私)(妻)「まだ一問もやってないよ」
(娘)「いちばんかたいものな〜んだ」
(私)(妻)「君の石頭!」
(娘)「…せいか〜い!」
(私)「正解なの?」
(娘)「まーね。なかなかやるのう」
(私)「もう眠いんじゃない?」
(娘)「眠くない!ぱっちり!」
(私)「(バックミラーを見て)目を瞑ってるけど」
(娘)「くわっ!」
(妻)「なんでうちの娘はこんなにしょっぱいんだ…」
(娘)「きみっ!」
(私)(妻)「は、はいっ!」
(娘)「あたしは、しょっぱいのかね」
(私)(妻)「しょっぱいしょっぱい!」
(娘)「そうか、しょっぱいのか…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、しょっぱいむすめでごめんなさい!」
(私)「いや、甘ったるいよりいいよ」
(娘)「なにぃ。なめたんか!」
(私)「いや、そういうしょっぱいじゃなくて」
(娘)「どういうしょっぱい?」
(私)「おっさん臭いというか何というか」
(娘)「おっさん…がーん。がっくし。おとうさんはあたしのおとうとなのか…」
(私)「なんで」
(娘)「おかあさんはおねえちゃんだったのか…」
(妻)「…(笑い過ぎで声が出ない)」
(娘)「きみっ!」
(私)「は、はいっ!部長!」
(娘)「おうちにはまだつかんのかね!…ぶちょーってなあに?」
(私)「部長って偉そうな人」
(娘)「わかった!せんせいだね」
(私)「まあ、そんな感じ」
(娘)「どっちやねん!」
(私)「もう寝たら?」
(娘)「眠くない!ぐーぐー」
(私)「…目が開いてるよ」
(娘)「なぜわかる!」
(私)「実はお父さんは後ろにも目があってねえ…」
(娘)「ぎゃあああっ!そうだ!くいず、だいきゅうも〜ん!」
(私)「はいはい」
(娘)「きみ!はい、は、いっかい!」

2010年12月2日

他の部屋から妻と娘5歳の声。
『おかあさん、このとけい、いまなんじ?』
『えっ(絶句)お父さんに聞いてご覧』
「おとうさん、これ、いまなんじ?」
「ん?え…(絶句)何時だと思う?」
「わかんない」
「じゃあ、この砂が全部落ちたら何時かな?」
「ぜろ!」
「じゃあひっくり返したら?」
「いち!」

2010年12月17日

朝まだき娘にはねのけた毛布をかけてやると「…あ、おとうさん…」
「お早う」
「やさしいゆめをみたの…」
「どんな」
「おとうさんがおほしさまをたべたの」
「それで?」
「あたしをおんぶしておそらをとんで…」
「うん」
「…うみでおよぐの…あした、なつ?」
「まだまだだよ」
「にかいねたらなつ?」

2010年12月24日

娘と特訓。
「さんたさんになにをおねがいしようかなあ」
「ラーメンの玩具は?」
「なんでやねん」
「ちゃうで。で、に力を入れんとあかん」
「なんでやねんっ」
「もう一丁!」
「なんでやねんっ!」
「まだまだ!」
「なんでやねんっ!」
「あかんあかん!」
「なんで!やねんっ!」
(妻)「二人共、早く寝れ!」

2011年1月6日

号泣する娘の慰めに歴代うさぎの話。
「それでずっと前には、ばにーという、凄く逞しい女の子うさぎがいてね…」
「(急に食いついて)じゃあ、ないすばでぃ!なんだね!きっといまごろ、あらたとらぶらぶで、まっかになってるよ!」

2011年1月7日

娘を寝かし付ける。
「おとうさん…めだまって、なにでできてるの?…あらたをやいたとき、おほねにめだまがなかった…」
「うん…シャボン玉みたいなものかな」
「やねまでとんだの?」
「もっと高いところかな」
「こわれてきえちゃうの?」
「シャボン玉って何色?」
「…にじいろ…あっ!にじになるの!?」

2011年1月7日

まだ娘が寝つけず「おとうさん、なんであらたをやいたの?びろーどのうさぎさん、やかれるの、とってもこわがってたよ…」
「ビロードのうさぎさんは本物のうさぎさんになってお友達が沢山できたね」
「うん」
「新太のお骨を入れた穴には、沢山お友達がいるんだよ」
「そっか…あたし、ぼうやみたいにわすれないよ…」